昭和懐古~絶滅危惧物・其の五~消えゆく木箱のある情景
2022.05.09依然としてコロナウイルスの終息は見えず、
ゴールデンウイーク明けの再拡大が懸念されています。
また、住宅産業を取り巻く環境においては、ウッドショックのみならず、
ロシアからの木材輸入禁止や様々な住宅資材の値上がりにより、厳しさを増すばかりです。

一方で、在宅率の増加や巣ごもりによるネット通販の利用増大等により宅配需要が急増しており、コロナ禍における対面接触や再配達問題といった社会的背景も相まって ”宅配BOX” の設置に対する関心が高まっています。
宅配BOXの歴史は比較的新しく、36年前の1986年(昭和61年)にマンション用として発売されたのが最初だそうです。
2000年(平成12年)頃から戸建住宅用も登場しましたが、価格や需要の問題もあり普及には時間がかかったようです。
しかし、今や新築マンションでは標準装備となり、戸建住宅においても設置を検討される方が多くなっています。
価格もお手頃で、機能面においてもスマホなどに連動されたものもあります。
また、ポスト一体型やデザイン性にも優れたものも多くあり、選択肢としては格段に広がっています。


昭和の時代にも、”牛乳箱”と言われた素朴な木製の宅配BOXがありました。
当時、牛乳といえば瓶入りが主流で、街の牛乳屋さんが配達してくれるものであり、牛乳箱はその受渡や空き瓶の回収としての役割がありました。
玄関先や勝手口に釘で取り付けられたものが多かったような気がします。
1970年(昭和45年)後半になって、牛乳が瓶入りから紙パック容器へと移り変わると、スーパー等の量販店が牛乳流通の中心となり、街の牛乳屋さんは衰退の一途をたどります。
そして、これら牛乳箱もまた、めっきり数を減らし、年月を経るに従いプラスチック製や置き型の保冷箱へと姿を変えてゆきます。



早朝の家の前の砂利道
帆布製の大きな袋をつけた自転車
その中に並べられた牛乳瓶のカチャカチャと
擦れ合う心地よい囀り
牛乳瓶を木箱に入れたあとの ”コトッ”
という木蓋を閉じる音
蓋を開けると少し汗をかいた牛乳瓶が2本
これら一連の光景が子供の頃の朝の原風景として思い出されます。
都内ではめっきり見ることができなくなってしまった” 木製牛乳箱のある情景 ”
地方の何処かでひっそりと生き残り続けていてほしいものです。
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