kimura ブログ

昭和懐古~絶滅危惧物・其の二~スマートの先駆者

2019.08.03

いよいよ本格的な夏がやってきました。
今年は急に気温が高くなったせいか、
暑さが身に沁みます。

季節の捉え方は人それぞれです。
気候的な事はもちろんですが、情景や匂い、
味覚などによってより強く感じられることも
あるのではないでしょうか。

私は、暑い日にクリームソーダを飲むと、
つま先から頭のてっぺんまでしみじみと
夏を感じることができます。

暑中お見舞い申し上げます。

現代において ”スマートフォン” は仕事にもプライベートにも必需品です。
昔は ”スマート” というと ”細身の・痩せている・スリムな” という意味合いが
強かったような気がしますが、英語ではそのような意味はないそうです。
本来は ”賢い・高性能な・洗練された” 等々の意味であり、今ではそれが転じて
”情報化された・高度な情報機能が加わった” などが認知されているようです。

住宅に目を移せば、IoTやAIといった技術を駆使し、利便性・快適・安全を
追求した ”スマートホーム” や、省エネ・節約を追求した ”スマートハウス”
などがあり、現代にマッチした言葉として、他にも多く用いられております。

その昔、昭和の時代にも ”スマート” の名を冠した異彩を放つものがあったことを
ご記憶でしょうか?

今や絶滅危惧物となってしまったその名は ”スマートボール

ガラス玉をはじき穴に入れる手打ちの遊戯で、ピンボールとパチンコの特徴を併せ持ち
日本独自の発展を遂げたものの一つとして、昭和30年代に爆発的に流行しました。

子供の頃、大人に連れられ楽しんだ記憶がありますが、その独特な雰囲気に心が躍った
ものです。

今では、四万や熱海などの一部温泉地の遊技場でしかお目にかかれない・・・・・
と思っていたら、まだ全国に数か所スマートボール専用場があるではありませんか!

その一つが都内の浅草にあり、早速現地調査に赴いてみました。

浅草花やしきの近く、昭和の匂いに誘われて着いた場所は、まさしくタイムスリップ
したかの如く、異次元の世界です。

小さなお子様からお年寄りまで楽しんでいる姿見ると、なんだか微笑ましい限りです。
対面に、”アレンジボール” もあり、さしずめ絶滅危惧物の共演といったところでは
ありますが、どちらも<故障中>の張り紙が多く、これも絶滅危惧物の宿命なのでしょう。

ちょっと見学のつもりが、帰る頃にはあたりが暗くなっていました。
どうやらここは時間の感覚をも麻痺させてしまう空間のようです。

ほんのちょっぴり薄くなりつつある後ろ髪を引かれながら、家路につくのでした。

時代の速さについていけないと感じたとき、煩わしさで心疲れたとき、
またこの扉を開けにやって来ましょう。

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