コラム
光と風が遊ぶ、快適な狭小住宅の仕掛けづくりー2
  • 階段は、家全体に光を届ける「光の筒」
    階段は、家全体に光を届ける「光の筒」
    こちらの階段は踏面を木製の素材を使った階段です。
    踏み込み板がなく、スケルトン構造です。天井や壁に窓を配し、階段を通じて、各階に光が降り注ぐ構造になっています。
    狭小地・密集地・変形地に計画する狭小住宅は、かなりのスペースを占領する階段室は間取りを決めるうえで悩みどころの一つです。ふだんいる部屋(例えば居間等)である居室を少しでも広く確保するために、せまく急な傾斜になったり、隅っこのうす暗い空間に押しやられるなど、いわば日陰的存在でした。
    しかし、階段室は家の中でも数少ない全フロアーを貫く「吹き抜け」のような場所です。
    スケルトン化をはかることで、暗くなりがちな1階や地下室まで光を届けることができます。そんな階段なら、毎日の上り下りも、楽しくなることでしょう
  • 天窓効果で、バスルームもカラッと乾く
    天窓効果で、バスルームもカラッと乾く
    洗面所から浴室までの天井をまるごと天窓にしてしまいました。
    床はタイルを統一して、すっきり広々とした空間になっています。
    北東に位置するバスルームですが、天井から降り注ぐ光の中で、快適にバスタイムを楽しんでいただくことができます。
    空を望める解放感もさることながら、光がしっかり入るので、浴室がすばやく乾いてつねに清潔な状態を保ちやすいのです。
    梅雨時のことも考えて、浴室乾燥機の設置も大切ですが、天窓を付けることにより、湿気をすばやく抜くことが可能です。
    そのため、浴室を洗濯物干しに活用する事か可能になっていきます。
    お日さまの光は、殺菌効果がありますから、浴室やサニタリールームには自然光が入る設計であることは必須なのです。
  • ガラス壁がもつ採光の実力
    ガラス壁がもつ採光の実力
    方向や隣家地の接近で、部屋の採光窓が十分にとれなかったら、家の中から「光を借りる」解決策もあります。
    たとえば、こちらの部屋は、ガラスブロック壁の向う側は、リビングの吹き抜け部分ですが、吹抜けの天窓から降り注ぐ光を、壁を通じて室内に取り入れています。夜になると、ガラスブロックを通して、吹き抜けのライトが映り、壁に優しいニュアンスが生まれます。
    外壁に使われることの多いガラスブロックですが、このように室内の構造に取り入れることも可能です。外壁に使う場合は防水処置などの工程が必要ですが、室内であれば比較的簡単な施工で取り付けることができます。
    思いきって一枚のガラスを壁にしてしまうこともあります。たとえば、階段と部屋を仕切る壁をガラス板にすることで、階段室の光を部屋に撮り込む、あるいは部屋の光を階段室に入れることもできるのです。ガラス壁は透けるので、空間を広く見せる視覚的効果もあり、狭小住宅ではさまざまな用途が考えられます。
  • 室内窓がもたらす抜け感と非日常感
    室内窓がもたらす抜け感と非日常感
    窓は、必ずしも外に面している必要はありません。
    部屋と部屋の間にある室内窓は、楽し気な雰囲気を醸し出してくれるので、
    お子さんのいるお宅ではとても人気です。
    例えば、リビングと階段を隔てる壁に、かわいらしい小さな窓を取り付けることにより、室内を通じてリビングに差し込む光が階段にもこぼれるようになります。
    さらに、室内窓を取り付けることで、光と風を確保するだけではなく、
    階段、リビング双方に空間の広がりを感じさせる効果もあります。
    このほかにも、階段室の2階部分に窓を取り付ける方法もあります。
    部屋を壁で完全に隔てるのではなく、室内窓でゆるやかにつなげることで、家族の気配がやさしく感じられる住まいになるのです。
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