コラム
狭小地の4層住宅は中間階にサニタリー(洗面所・便所・浴室などの水回り空間)を置く。
  • 狭小地の4層住宅は中間階にサニタリーを置く。
    狭小地の4層住宅は中間階にサニタリーを置く。
    狭小敷地であっても23坪前後あれば、地上3階建てにせよ、地下1階地上2階建てにせよ、3層に重ねることで、どうにか暮らしに必要な床面積を確保することができます。しかし敷地が15坪くらいまで小さくなる狭小地の場合、3層では必要な床面積を確保するのが難しく、4層に重ねることになってきます。
    敷地には、地域で決められた高さ制限があり、制限によって地上4階建てが建てられないときは地下1階地上3階建ての建物になります。
    いずれにせよ、暮らしのなかでの上下移動の距離は長くなりますが、室内の起点となる玄関が4層の最下層になるかによって、各部屋の位置関係は変わることになります。
    ただ、サニタリー(水廻り:洗面・浴室・トイレ)は汚水雑排水処理の観点から地下に置くことは避けたいものです。地上4階建ての場合、給水圧の点からみて4階に配置することも避けるべきしょう。ワンフロアの面積には限りがあるので、LDKと同じフロアに置くこともできません。
    となるとサニタリーは地下と4階を除いたフロアに置くことになります。そして、別フロアに振り分けられる寝室や予備室などの関係を考えながら、それぞれの配置を考えていくことになります。当然のことながら、LDKは景色のよい上層階に置きたいものです。
  • 地下+地上3階建て
    地下+地上3階建て
    地域によっては、高さ制限により地下1階地上3階建ての4層になることがあります。間取りを見た場合、室内の起点となる1階玄関とその他居室との関係は、3階建ての家と大きくは変わりません。各フロアーの床面積が小さくなることで、プライベートスペースは各階に分散することになります。
  • 地上4階建て
    地上4階建て
    高さ制限が緩く、階数を上に伸ばせるのであれば、コストのかかる地下をつくらず、地上4階建てにすり選択肢があります。地上4階建ての場合、1階の玄関から最上階の居室まで、上下移動の距離は長くなってしまいます。ひとまずLDKとその他個室およびサニタリーの関係だけを考えます。LDKスペースをどの階に置き、そこからほかの階に置く居室とサニタリーとの関係について考えることが、小さな敷地に建てる4階建て住宅の間取りづくりになります。
  • 14坪に1フロアー1機能の4層: 条件のよい2階にLDKをおいてほかを割り振る。
    14坪に1フロアー1機能の4層: 条件のよい2階にLDKをおいてほかを割り振る。
    14坪弱の敷地で必要な床面積を確保するには、4層にする必要がありました。そして道路斜線の制限から、地下1階、地上3階の建物となりました。
    各階とも床面積は8坪前後。どうがんばってもワンフロアに1つか2つの機能しか入れ込めません。採光、玄関からの動線、広さの確保などの条件が一番よいのが2階となったため、LDKを2階に置きました。
    サニタリーは、排水処理の観点から地下を避けて1階に置き、寝室、子供室、予備室といった個室を、LDKのある2階以外の階に振り分けました。
  • 地下は本と書斎のために: 各階、違ったかたちで外とつながる。
    地下は本と書斎のために: 各階、違ったかたちで外とつながる。
    敷地南側の駐車スペースの上に2階居間からつながるバルコニーをつくって庭代わりとしていいます。地下には2つの書斎と書庫を配置し、どちらの書斎からもドライエリアに出られます。
    1階には寝室とサニタリーがあって、浴室からは坪庭を、寝室からはテラス越しに地下のドライエリアに植えた樹木の緑を楽しむことができます。3階の子供室もルーフバルコニーに出ることができます。
    このように、どの階においてもそれぞれが外とつながる関係をもっており、限られた広さのなかでもゆとりを感じられるようになっています。
  • ワンフロアにつき1機能主義:それぞれの個室でLDKを挟み込む。
    ワンフロアにつき1機能主義:それぞれの個室でLDKを挟み込む。
    14坪に満たない敷地に60%の建ぺい率で家を建てると、ワンフロアの床面積はわずか8.4坪にしかなりません。延べ床面積30坪前後の家を建てるのであれば、4階建てにする必要があります。この家は4人家族が暮らせる生活スペースに加えて、書庫兼音楽室が求められました。
    そこで、陽当たりの悪い1階を書庫兼音楽室とし、その上の3フロアを基本的な生活スペースとしました。3階のLDKを4階の子供室と2階の寝室で挟み込むことにより、家族が集まる場所とそれぞれの個室の距離が縮まり、使い勝手もよくなっています。
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