千北 正 ブログ

『 山脇 巌 先生 との出会い』〜現代に生きる、バウハウス哲学と真のデザイン〜

2014.06.19

T&Wで意匠・デザインを担当しております、チーフデザイナーの千北 正(チギタ タダシ)です。
住宅のデザインを担当し、手描のスケッチ表現で、お客様にデザイン提案をさせていただいております。
40数年前、日藝:日本大学藝術学部美術学科デザイン科住空間デザイン専攻(現:デザイン学科建築デザインコース)に入学し、コース選択前の1学年の基礎課程でご教授頂いた、山脇 巌 先生(当時:名誉教授)を思い出しました。

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きっかけは、目の前で毎日使っている愛用の筆記用具(万年筆、4色ボールペン、シャープペン)で、バウハウスの影響を強く受けたデザイナーがデザインしたものです。今から48年前に製造発売されましたが、今だかつて、拘りの愛好家が使用し、製造販売されている「レジェンドな商品」です。
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d0178586_2242554.jpg私が、日藝に入学のきっかけとなったのは、入試のために、デッサンの手解きをして頂いた、画家(モダンアートが専門)の吉田先生夫妻でした。当時、1971年に東京国立近代美術館で開催された『バウハウス50年』展の図録を見せて頂いた時でした。この図録は、当時、ドイツに創立された、バウハウス(バウハウスはドイツ語で「建築の家」を意味し、中世の建築職人組合であるバウヒュッテ (Bauhütte, 建築の小屋) という語をグロピウスが現代的にしたものである。)という造形学校(わずか1919年開校から1933年の14年間でナチスの台頭で閉鎖)の世界巡回展で、吉田先生が展示会で購入されたものです。見せて頂くと、カディンスキーの色彩演習、シュミット、クレーの形態論に関する図版と記述を始め、ヴァルター・グロピウス、ミース・ファン・デル・ローエ、ヘルベルト・バイアー、マックス・ビル、ヨゼフ・アルバース、モホリ=ナギほか、建築、絵画、プロダクト、デザインにまつわる図版をカラー・モノクロで収録。舞台、彫刻、金属、家具の図版も多数収録、バウハウスの多岐に渡る文化、教育についてよく知ることができました。
d0178586_22423521.jpg全てに、芸術と技術が統合されていることです。同時に、全ての芸術活動(建築、舞台美術、ファッション、家具、照明器具、フォトグラフィー、絵画、等々)の垣根が取り払われ、互いの活動がシナジー効果を生み出し、造形教育が、工房教育が中心骨格となり、「バウハウス哲学」が、多彩に花開していることが、当時の稚拙な私にも、図録写真の作品群から感じとられました。
そして、当時、この学校(バウハウスへ留学)で学んだ、山脇 巌 先生がドイツ帰国後、教授として招聘され、日本大学藝術学部で、バウハウス教育のシステムを導入した、日本で創めてのデザイン教育システムと知り、私は、入学しました。そこで、学んだことは、バウハウス教育の継承とも言える、山脇 巌 先生 から出題された基礎課程の演習課題「想像描写」や、ワシリーカンディンスキーの「点・線・面」の色彩・構成理論等の講義が、今も新鮮に思い浮かび、今なお実際仕事でも、デザイン業務に役立っていることが、基礎教育の普遍性を感じさせます。そして、一番大切なことは、山脇 巌先生は、当時、この新しいデザイン教育原理を次のように要約しています。ヨーゼフ・アルバースは『教育の方法は理論的序論から入るのではなくて、まず材料から出発しなければならない』と語った。『 「材料に内在する性質がその用い方を決定する」ということ、…形態の基本法則を理解させるもので…それらの作品についてのディスカッションによって、学生は…もののつかみ方を知るに至』る、と。
 
因みに、『優れた工業デザインが会社にとっても製品にとっても差別化の鍵をにぎる』と信じた今は亡きジョブズは建築家のヴァルター・グロピウスやミース・ファン・デル・ローエが取り組んだバウハウスの『すっきりと機能的なデザイン哲学』をひとつの「スタイル」として信奉していったことが紹介されています。 そして、『会社の経営、製品の設計、広告とすべてをシンプルにするのです。とてもシンプルに。』という提唱から『洗練を突きつめると簡素になる』というアップル初期のモットーへと掲げられていった過程が、描かれています。いま、わたしたちの「暮らし」をあらためて見渡すとたくさんの「品物」とたくさんの「便利」さにかこまれて生きていることを実感することができます。便利さを追求することによって「豊かさ」を得たようにおもいます。しかしその代償としてかけがいのない「なにか」を失った、ともおもうのです。ジョブズがバウハウスのなかに「簡素な真」を見つけたように、わたしたちも現在の「暮らし方」や「建築のつくりかた」を見直して「簡素で暮らしやすいすまい」を実現していかなければならない転換期(とき)に入ったとみなければならないのではないでしょうか。
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