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地盤液状化

2015.11.26

設計の岡です。
先日、所属している東京大田区の建築士会で、地盤の液状化についての勉強会がありました。
 “液状化”、特に、大田区で言えば大森、糀谷、蒲田等、又、千葉県市川市等は特に、地震発生時にその現象が顕著に起こり得る、そして、現実に千葉県や埼玉県では起きています。しかしながら、地震による建物等の倒壊による重篤な生命の危機に晒されることが非常に少ないため、現実に起きて経験しないとその被害の大きさは想像できない点も多々あるようです。
 では、順を追って液状化のことを説明します。
1.液状化とは?(東京都マニュアル抜粋)
 主に同じ成分や大きさの砂からなる土が、砂の粒子が結びついて支えあっていますが、地震発生で
繰り返される振動により、地下水の圧力が高くなり、砂の粒子の結び付きがバラバラになり、地下水に浮いたような状態となる現象です。
2.液状化の発生し易い地層等
*地下水位が高く、緩く堆積した砂質地盤
*埋立地盤で人工造成地盤、最近堆積した沖積層(地学的に最も新しい地層で湿地帯が多い)
*埋立地において、砂以外のシルトや礫が多く含まれる地盤
3.事前の対応策、液状化防止工法など 
工法1としては、一般的な柱状改良です。改良杭の根元は”非液状化層“迄到達させ、この工法が杭の摩擦力により耐力を発揮して、建物の重量をささえている事です。⇒事前に液状化の発生の可能性の有無を地盤調査により確認する必要があります。
工法2としては、一般的な小口径杭工法です。杭の根元は、”堅固な地層“迄到達させることが必要です。液状化の発生時に基礎底版を支えていた地層が液状化しても、この杭が建物を支える工法です。
※結論として、液状化発生の可能性のある地域に建築される場合は、予め、設計士や建築会社に相談し、
1.液状化発生する確率、どの地層で発生するかが算定できる計算方法
2.上記に対して、どのような方策が適しているか
3.各工法でどの位の費用が必要か
4.もし、事前に対処せずに建築後、被災した場合の対処のノウハウ
等、“安心できる建物”を考えることが重要です。

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